セクハラやパワハラに関する相談

セクハラ・パワハラの被害を受けた場合

相談例

最近、上司から必要もないのに肩や腰に手を回されたりして、正直いい気持ちがしません。また、仕事の外でも、打ち合わせをしたいからなどと言って 食事に誘われたりしています。
やめて欲しいと思っているのですが、ハッキリ「やめて下さい。」と言ってしまうと 職場の雰囲気が悪くなってしまうのではないかと心配して何も言えません。
どうすれば良いのでしょう? これってセクハラには当たらないのでしょうか?

セクハラ・パワハラの概要

セクハラ・パワハラを取り巻く社会背景

経済・雇用情勢の急速な悪化等を背景として、全国の総合労働相談コーナーに寄せられる労働相談件数は毎年増加の傾向にあります (平成26年度の総合労働相談件数は約103万件で、7年連続で100万件を超えています。)。
このうち、セクハラやパワハラに関係すると思われる相談件数、すなわち、民事上の個別労働紛争の相談内容では「いじめ・嫌がらせ」が、3年連続で最多となっています。
このように、近年、セクハラ・パワハラの問題が、ごく一部の悪質な会社においてのみ行われているのではなく、 どの会社でも起きうる労働問題であるということがお分かりいただけるかと思います。

セクハラ・パワハラとは

1 セクハラとは
どのような行為がセクハラに当たるのでしょうか?男女雇用機会均等法11条第1項によれば、 セクハラは次のようなものと規定されています。。

職場において行われる労働者の意に反する性的な言動で、 それに対する労働者の対応により、
①当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの、または、
②それにより労働者の職場環境が害されるもの

2 パワハラとは
他方、パワハラについて、厚生省円卓会議ワーキング・グループ報告平成24年1月30日によれば、 次のようなものとされています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、 精神的苦痛や身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。

また、パワハラの典型的な行為類型として、次のようなものが挙げられます。
①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや執行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた、程度の低い仕事を命じること、仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

上記のうち、①~③のようにあからさまなものだけでなく、④~⑥のように、業務上の指示等との線引きが難しいものであっても、 パワハラになりうるという点が重要です。

 

 

セクハラ・パワハラによる損害

セクハラ・パワハラの被害を受けてしまった場合、加害者や会社に対して、どのような損害をいくら請求することができるのでしょうか?

1 慰謝料
まず、セクハラ・パワハラを受けたことによって受けた精神的苦痛に対して、これを慰謝するための費用を請求することができます(慰謝料)。
精神的苦痛の大きさや、慰謝料をいくら支払ってもらえれば精神的苦痛が取り除かれるか、という点には個人差があります (場合によっては、いくら慰謝料を払ってもらっても癒えることのない傷を負わされてしまった、ということもあるかも知れません)。
しかし、だからといって被害を受けた人がどれくらい苦しい思いをしているかということは、その人の内面的なものですので、その大きさを図るのは困難ですし、 ましてやそれを金銭で評価することなどできないでしょう。

そこで、一般的には、セクハラ・パワハラを受けた期間、頻度、言葉の内容、生じた被害の大きさ等(例えば、鬱になってしまったなど) を総合的に評価して、慰謝料の金額が算定されます。
50万円から100万円程度が認められるケースが多いですが、 300万円の慰謝料が認められたケースなどもあり、加害行為の態様・期間などによっては、慰謝料が高額になることもあることが分かります(京都地裁判決平成19年4月26日)。

2 逸失利益
セクハラ・パワハラが原因で心身に変調をきたし、会社を休まざるを得なかったような場合、 もし会社がこの休業期間中の給与を支払ってくれていなければ、休業期間中の給与を損害として、加害者や会社に支払いを求めることができます。
また、休業しても回復のめどが立たず、会社を辞めざるを得なかったような場合、次の職場が見つかるまでの合理的な期間 (3か月から6か月程度というのが多いように思います。)の給与を損害として、加害者や会社に支払いを求めることができます。

これら、セクハラ・パワハラがなければ得られていたはずの利益のことを逸失利益といいます。
さらに、セクハラ・パワハラのせいで鬱病を患ってしまい、もう以前と同じようには働くことができなくなってしまったという場合、 生涯に渡って逸失利益が生じるということもあります。

セクハラ・パワハラの加害者になってしまった場合

概要

セクハラ・パワハラの加害者になってしまった場合は、既に述べた被害者に関する説明が参考になります。
すなわち、上述のセクハラ・パワハラの定義などから、ご自身が指摘されている行為がセクハラ・パワハラとして違法なものかどうか検討します。
そして、仮にご自身の行為が違法な行為に該当するとした場合は、相手方に与えた損害を賠償する責任がありますが、その金額についても、上記の慰謝料等に関する記述をご参照頂ければと思います。